フランスの国旗について
フランスの国旗、通称「トリコロール(Tricolore=三色旗)」について、その由来や色の意味、歴史、そして「実は帯の太さが均等ではないバージョンがある」という形に関する秘密まで、詳しく解説します。世界中の国旗のデザインに最も大きな影響を与えたと言っても過言ではない、近代国家のシンボル的な国旗です。
1. デザインと色の意味
フランス国旗は、左から「青・白・赤」の垂直な3つの帯で構成されています。この3色には 「歴史的な本来の意味」 と、後から定着した 「有名な俗説」 の2つが存在します。
- ① 歴史的な本来の意味(王室と市民の和解)
- 青と赤:首都 「パリ市」 の伝統的なシンボルカラーです。
- 白:フランスの伝統的な 「ブルボン王家」 を象徴する色です。 つまり、デザインが誕生した当初は「王室(白)を、パリ市民(青と赤)が取り囲む」という、 「国王と人民の結びつき(和解・協調)」 を意味していました。
- ② 後から定着した有名な俗説(自由・平等・博愛) 一般的にフランス国旗の3色は、フランス革命の理念である 「自由(青)、平等(白)、博愛(赤)」 を表しているとよく言われます。 しかし、 実はこれは後世に作られた俗説(後付け) です。公式な文書で色がこの3つの理念に割り当てられたことはありません。とはいえ、現在ではフランス国民の間でもこの解釈が広く愛され、定着しています。
2. トリコロールの歴史と由来
フランス国旗は、1789年に勃発した 「フランス革命」 の真っ只中で誕生しました。
① ラファイエット侯爵による「帽章」の発明(1789年) 革命の引き金となったバスティーユ牢獄襲撃の直後、国民衛兵(市民の軍隊)の司令官となったラファイエット侯爵が、パリ市のテーマカラーである「青と赤」に、王室の「白」を組み合わせた円形のバッジ(帽章)を考案しました。これを市民や国王ルイ16世の帽子に付けさせたのが、トリコロールの起源です。
② 国旗としての正式採用(1794年) その後、革命が進み王政が打倒されると、1794年に第一共和政下の国民公会によって、この3色が正式に「国旗」として制定されました。 制定当初は「赤・白・青」の順になったりすることもありましたが、最終的に画家のジャック=ルイ・ダヴィッドのアドバイスにより、現在の「左から青・白・赤」の並びに固定されました。
③ 白旗への逆戻りと、トリコロールの復活 ナポレオン失脚後、王政復古によってブルボン朝が復活すると、国旗は一時的に「真っ白な旗(白旗)」に戻されてしまいます。しかし、1830年の「7月革命」で再び市民が立ち上がり、民衆を率いた新国王(ルイ・フィリップ)がトリコロールを再び国旗として採用しました。名画『民衆を導く自由の女神』で、女性が掲げているのがまさにこの時のトリコロールです。
3. 形(比率)に関する意外な秘密:「均等」ではない?
トリコロールは「青・白・赤の3等分(1:1:1)」だと思われがちですが、実は用途によって 「帯の太さ(比率)」が異なります。
- 陸上用(一般的な国旗):【 33:33:33 】 (厳密には1:1:1) 役所や学校など、陸上で掲揚されるものは3色が全く同じ幅で均等に作られています。
- 海上用(海軍旗・商船旗):【 30:33:37 】
フランス海軍の艦船などで使われる旗は 「青30、白33、赤37」 という不均等な比率で作られています。
- 理由(視覚錯覚の補正):旗が海風にはためく時、旗竿側(固定されている青)はよく見えますが、風でなびく先端側(赤)はめくれて面積が小さく見えてしまいます。また、白は光を反射して膨張して見えます。そのため 「風にはためいた時に、遠くから3色が均等に見えるように」 という視覚的な計算に基づき、あえて赤を一番太く、青を一番細くしているのです。
4. 知っておきたい豆知識(トリビア・最新事情)
- 世界中の国旗の「親」 トリコロール(縦三色旗)のデザインは、「抑圧からの解放」や「共和制(市民の国)」の力強いシンボルとなりました。そのため、後に独立や革命を果たした多くの国(イタリア、アイルランド、ルーマニア、ベルギー、メキシコなど)が、フランスを真似て縦三色旗を採用しました。
- マクロン大統領による「青色」の変更(2020年) 実は最近、フランス国旗の「青色」が変わったのをご存知でしょうか。 1976年、当時のジスカール・デスタン大統領が、欧州連合(EU)の旗の青色に合わせて、国旗の青を明るい「コバルトブルー」に変更していました。 しかし2020年、エマニュエル・マクロン大統領が、誰にも公式な発表をしないまま、大統領府などに掲げる国旗の青を、革命当時の伝統的で暗い「ネイビーブルー(紺色)」にこっそりと戻しました。 1年以上経ってからジャーナリストがこれに気づき、大きなニュースになりました。「フランス革命の原点回帰」や「国家の威厳」を示す意図があったとされています。
- 掲揚のルール 国旗を掲揚する際は、必ず 「青が旗竿側(左側)」 にくるようにしなければなりません。逆にするとオランダ国旗(赤・白・青の横三色)を縦に吊るしたように見えてしまうだけでなく、国家に対する無礼にあたります。
以上のように、フランスの「トリコロール」は、王室と市民の歴史的な関係性から生まれ、人間の視覚効果まで計算された緻密なデザインを持ち、さらには現代の政治的メッセージ(色の明暗)まで反映し続ける、非常にドラマチックな国旗です。
素材について
フランスの国旗、通称「トリコロール(Tricolore=三色旗)」について、その由来や色の意味、歴史、そして「実は帯の太さが均等ではないバージョンがある」という形に関する秘密まで、詳しく解説します。世界中の国旗のデザインに最も大きな影響を与えたと言っても過言ではない、近代国家のシンボル的な国旗です。
1. デザインと色の意味
フランス国旗は、左から「青・白・赤」の垂直な3つの帯で構成されています。この3色には 「歴史的な本来の意味」 と、後から定着した 「有名な俗説」 の2つが存在します。
- ① 歴史的な本来の意味(王室と市民の和解)
- 青と赤:首都 「パリ市」 の伝統的なシンボルカラーです。
- 白:フランスの伝統的な 「ブルボン王家」 を象徴する色です。 つまり、デザインが誕生した当初は「王室(白)を、パリ市民(青と赤)が取り囲む」という、 「国王と人民の結びつき(和解・協調)」 を意味していました。
- ② 後から定着した有名な俗説(自由・平等・博愛) 一般的にフランス国旗の3色は、フランス革命の理念である 「自由(青)、平等(白)、博愛(赤)」 を表しているとよく言われます。 しかし、 実はこれは後世に作られた俗説(後付け) です。公式な文書で色がこの3つの理念に割り当てられたことはありません。とはいえ、現在ではフランス国民の間でもこの解釈が広く愛され、定着しています。
2. トリコロールの歴史と由来
フランス国旗は、1789年に勃発した 「フランス革命」 の真っ只中で誕生しました。
① ラファイエット侯爵による「帽章」の発明(1789年) 革命の引き金となったバスティーユ牢獄襲撃の直後、国民衛兵(市民の軍隊)の司令官となったラファイエット侯爵が、パリ市のテーマカラーである「青と赤」に、王室の「白」を組み合わせた円形のバッジ(帽章)を考案しました。これを市民や国王ルイ16世の帽子に付けさせたのが、トリコロールの起源です。
② 国旗としての正式採用(1794年) その後、革命が進み王政が打倒されると、1794年に第一共和政下の国民公会によって、この3色が正式に「国旗」として制定されました。 制定当初は「赤・白・青」の順になったりすることもありましたが、最終的に画家のジャック=ルイ・ダヴィッドのアドバイスにより、現在の「左から青・白・赤」の並びに固定されました。
③ 白旗への逆戻りと、トリコロールの復活 ナポレオン失脚後、王政復古によってブルボン朝が復活すると、国旗は一時的に「真っ白な旗(白旗)」に戻されてしまいます。しかし、1830年の「7月革命」で再び市民が立ち上がり、民衆を率いた新国王(ルイ・フィリップ)がトリコロールを再び国旗として採用しました。名画『民衆を導く自由の女神』で、女性が掲げているのがまさにこの時のトリコロールです。
3. 形(比率)に関する意外な秘密:「均等」ではない?
トリコロールは「青・白・赤の3等分(1:1:1)」だと思われがちですが、実は用途によって 「帯の太さ(比率)」が異なります。
- 陸上用(一般的な国旗):【 33:33:33 】 (厳密には1:1:1) 役所や学校など、陸上で掲揚されるものは3色が全く同じ幅で均等に作られています。
- 海上用(海軍旗・商船旗):【 30:33:37 】
フランス海軍の艦船などで使われる旗は 「青30、白33、赤37」 という不均等な比率で作られています。
- 理由(視覚錯覚の補正):旗が海風にはためく時、旗竿側(固定されている青)はよく見えますが、風でなびく先端側(赤)はめくれて面積が小さく見えてしまいます。また、白は光を反射して膨張して見えます。そのため 「風にはためいた時に、遠くから3色が均等に見えるように」 という視覚的な計算に基づき、あえて赤を一番太く、青を一番細くしているのです。
4. 知っておきたい豆知識(トリビア・最新事情)
- 世界中の国旗の「親」 トリコロール(縦三色旗)のデザインは、「抑圧からの解放」や「共和制(市民の国)」の力強いシンボルとなりました。そのため、後に独立や革命を果たした多くの国(イタリア、アイルランド、ルーマニア、ベルギー、メキシコなど)が、フランスを真似て縦三色旗を採用しました。
- マクロン大統領による「青色」の変更(2020年) 実は最近、フランス国旗の「青色」が変わったのをご存知でしょうか。 1976年、当時のジスカール・デスタン大統領が、欧州連合(EU)の旗の青色に合わせて、国旗の青を明るい「コバルトブルー」に変更していました。 しかし2020年、エマニュエル・マクロン大統領が、誰にも公式な発表をしないまま、大統領府などに掲げる国旗の青を、革命当時の伝統的で暗い「ネイビーブルー(紺色)」にこっそりと戻しました。 1年以上経ってからジャーナリストがこれに気づき、大きなニュースになりました。「フランス革命の原点回帰」や「国家の威厳」を示す意図があったとされています。
- 掲揚のルール 国旗を掲揚する際は、必ず 「青が旗竿側(左側)」 にくるようにしなければなりません。逆にするとオランダ国旗(赤・白・青の横三色)を縦に吊るしたように見えてしまうだけでなく、国家に対する無礼にあたります。
以上のように、フランスの「トリコロール」は、王室と市民の歴史的な関係性から生まれ、人間の視覚効果まで計算された緻密なデザインを持ち、さらには現代の政治的メッセージ(色の明暗)まで反映し続ける、非常にドラマチックな国旗です。
無料ダウンロード
詳細データ・リンク
| 素材名 | フランスの国旗 |
|---|---|
| キーワード | フランス, 国旗 |
| 制作者 (Creator) | 3kaku-K |
| 著作権 (Copyright) | 3kaku-K |
| クレジット (Credit) | freesozai.jp |
| 関連リンク | 参考リンク |