スウェーデンの国旗について
スウェーデンの国旗について、その美しい青と黄色の意味、神話のような誕生伝説、かつて存在した「ニシンのサラダ」と呼ばれる奇妙なデザインの時代、そしてスウェーデン人の日常に根付く独自のルールまで、詳しく解説します。日本でも家具メーカー「IKEA(イケア)」のロゴカラーとして非常に馴染み深いですが、実はデンマークに次いで世界で2番目に古い歴史を持つとされる由緒正しい国旗です。
1. デザインと形の意味:北欧のシンボル「スカンジナビア十字」
澄み渡るような青を背景に、黄(金)色の十字架が描かれています。
- スカンジナビア十字(北欧十字) 十字の縦の線が、中央ではなく 「旗竿側(左側)」に寄っている のが最大の特徴です。これはキリスト教への信仰を表しています。 なぜ左に寄っているかというと、 「旗が風になびいて右側がヒラヒラと動いた時に、遠くから見ると十字がど真ん中にあるように錯覚する」 という視覚的バランスを計算した実用的なデザインだからです。スウェーデンだけでなく、ノルウェー、フィンランド、アイスランドなど北欧諸国すべてがこの形を採用しています。
- 青と黄色の意味
この2色は、15世紀中頃から使われているスウェーデンの国章 「青地に3つの金色の王冠(スリークラウンズ)」 に由来しています。
- 青:正義、忠誠、真実。また、スウェーデンの美しい青空と、国土に広がる無数の湖を表しています。
- 黄(金):寛大さ、富。そして、北欧の短い夏に降り注ぐ輝かしい「太陽」を象徴しています。
2. スウェーデン国旗の歴史と伝説
スウェーデン国旗の起源には、ロマンチックな伝説と、現実的な歴史の2つが存在します。
① 奇跡の伝説:青空に浮かんだ金の十字架(1157年) 12世紀中頃、スウェーデン王エリク9世(聖エリク)が、異教徒の多い隣国フィンランドへ「第一回十字軍」として遠征した際のお話です。 戦いの前、王が神に祈りを捧げてふと空を見上げると、 「青空の真ん中に、太陽の光が反射して『金色の十字架』がくっきりと浮かび上がった」 と言われています。これを神からの吉兆だと確信した王は、この配色を軍旗にし、見事勝利を収めました。 (※お隣のデンマーク国旗にも「空から十字架の旗が降ってきた」というそっくりな伝説があるため、デンマークの伝説に触発されて後から作られた神話だというのが歴史学的な定説です)。
② 史実としての制定(16世紀) 歴史的に確認できるのは、16世紀のグスタフ・ヴァーサ王の時代です。当時、デンマークの支配から独立を果たしたスウェーデンは、「デンマークの国旗(赤地に白十字)に対抗するため、自分たちの国章の色(青と黄)を使って同じ十字の旗を作った」のが始まりとされています。 その後、1569年にヨハン3世が「スウェーデンの旗には常に金色の十字を入れること」と正式に布告しました。
3. 黒歴史?「ニシンのサラダ」と呼ばれた時代
スウェーデン国旗の歴史を語る上で絶対に外せないのが、19世紀の 「ニシンのサラダ(Sillsallaten:シルサラテン)」 と呼ばれた時代です。
1814年から1905年まで、スウェーデンはお隣のノルウェーと「同君連合(事実上のスウェーデン支配)」を結んでいました。 この連合時代、両国の平等をアピールするため、 スウェーデン国旗の左上の四角い部分(カントン)に、スウェーデン国旗とノルウェー国旗の柄を細かく切り刻んでミックスした「連合マーク」をデカデカとはめ込みました 。
しかし、このマークは色が「赤・白・青・黄」とあまりにもごちゃごちゃしていて毒々しかったため、両国の国民から 「まるで『ニシンのサラダ(北欧の伝統料理で、ビーツやニシンを細かく刻んで混ぜたカラフルな料理)』みたいでダサい!」 と大不評を買いました。 1905年にノルウェーが独立して連合が解消されると、このマークは速やかに国旗から取り除かれ、現在のスッキリした美しい青と黄色の十字に戻りました。
4. 知っておきたい豆知識(独自の文化とトリビア)
- 日常のルール:「ポールを裸にしない(ペナントの文化)」 スウェーデンでは、一般の家庭の庭先やサマーハウス(別荘)に国旗掲揚のポールが立っているのがごく普通の光景です。 しかし、正式な国旗は「日の出から日没まで(夜は降ろす)」というルールがあります。そこでスウェーデン人は、国旗を降ろしている間、ポールに何もついていない「裸の状態」を非常に嫌い、代わりに 「ヴィンペル(Vimpel)」と呼ばれる青と黄色の細長いペナント(吹き流し)を24時間常に掲げておきます 。風になびくヴィンペルは、スウェーデンののどかな日常を象徴する景色です。
- アメリカにある「スウェーデン柄」の市旗 アメリカのペンシルベニア州フィラデルフィアや、デラウェア州ウィルミントンの市旗は、 「青地に黄色の十字(または帯)」 というスウェーデンそっくりの配色をしています。 実は17世紀、この地域には 「ニュースウェーデン」 というスウェーデンの植民地がありました。その歴史的な名残を現在でも大切に受け継いでいるのです。
- 正確な色指定が法律で決まっている 昔は色が水色っぽかったり、オレンジに近かったりとバラバラでしたが、1906年の国旗法で厳密に色が統一されました。現在のスウェーデン国旗の青は少し明るめの「ライトブルー」と指定されていますが、これはスウェーデン王室の伝統的な色合いを守るためです。
以上のように、スウェーデンの国旗は、北欧の雄大な自然を切り取ったような美しい配色を持ちながら、デンマークへのライバル心や、ノルウェーとの「ニシンのサラダ」の歴史など、北欧諸国の複雑な関係性を色濃く反映している、非常に興味深い国旗なのです。
素材について
スウェーデンの国旗について、その美しい青と黄色の意味、神話のような誕生伝説、かつて存在した「ニシンのサラダ」と呼ばれる奇妙なデザインの時代、そしてスウェーデン人の日常に根付く独自のルールまで、詳しく解説します。日本でも家具メーカー「IKEA(イケア)」のロゴカラーとして非常に馴染み深いですが、実はデンマークに次いで世界で2番目に古い歴史を持つとされる由緒正しい国旗です。
1. デザインと形の意味:北欧のシンボル「スカンジナビア十字」
澄み渡るような青を背景に、黄(金)色の十字架が描かれています。
- スカンジナビア十字(北欧十字) 十字の縦の線が、中央ではなく 「旗竿側(左側)」に寄っている のが最大の特徴です。これはキリスト教への信仰を表しています。 なぜ左に寄っているかというと、 「旗が風になびいて右側がヒラヒラと動いた時に、遠くから見ると十字がど真ん中にあるように錯覚する」 という視覚的バランスを計算した実用的なデザインだからです。スウェーデンだけでなく、ノルウェー、フィンランド、アイスランドなど北欧諸国すべてがこの形を採用しています。
- 青と黄色の意味
この2色は、15世紀中頃から使われているスウェーデンの国章 「青地に3つの金色の王冠(スリークラウンズ)」 に由来しています。
- 青:正義、忠誠、真実。また、スウェーデンの美しい青空と、国土に広がる無数の湖を表しています。
- 黄(金):寛大さ、富。そして、北欧の短い夏に降り注ぐ輝かしい「太陽」を象徴しています。
2. スウェーデン国旗の歴史と伝説
スウェーデン国旗の起源には、ロマンチックな伝説と、現実的な歴史の2つが存在します。
① 奇跡の伝説:青空に浮かんだ金の十字架(1157年) 12世紀中頃、スウェーデン王エリク9世(聖エリク)が、異教徒の多い隣国フィンランドへ「第一回十字軍」として遠征した際のお話です。 戦いの前、王が神に祈りを捧げてふと空を見上げると、 「青空の真ん中に、太陽の光が反射して『金色の十字架』がくっきりと浮かび上がった」 と言われています。これを神からの吉兆だと確信した王は、この配色を軍旗にし、見事勝利を収めました。 (※お隣のデンマーク国旗にも「空から十字架の旗が降ってきた」というそっくりな伝説があるため、デンマークの伝説に触発されて後から作られた神話だというのが歴史学的な定説です)。
② 史実としての制定(16世紀) 歴史的に確認できるのは、16世紀のグスタフ・ヴァーサ王の時代です。当時、デンマークの支配から独立を果たしたスウェーデンは、「デンマークの国旗(赤地に白十字)に対抗するため、自分たちの国章の色(青と黄)を使って同じ十字の旗を作った」のが始まりとされています。 その後、1569年にヨハン3世が「スウェーデンの旗には常に金色の十字を入れること」と正式に布告しました。
3. 黒歴史?「ニシンのサラダ」と呼ばれた時代
スウェーデン国旗の歴史を語る上で絶対に外せないのが、19世紀の 「ニシンのサラダ(Sillsallaten:シルサラテン)」 と呼ばれた時代です。
1814年から1905年まで、スウェーデンはお隣のノルウェーと「同君連合(事実上のスウェーデン支配)」を結んでいました。 この連合時代、両国の平等をアピールするため、 スウェーデン国旗の左上の四角い部分(カントン)に、スウェーデン国旗とノルウェー国旗の柄を細かく切り刻んでミックスした「連合マーク」をデカデカとはめ込みました 。
しかし、このマークは色が「赤・白・青・黄」とあまりにもごちゃごちゃしていて毒々しかったため、両国の国民から 「まるで『ニシンのサラダ(北欧の伝統料理で、ビーツやニシンを細かく刻んで混ぜたカラフルな料理)』みたいでダサい!」 と大不評を買いました。 1905年にノルウェーが独立して連合が解消されると、このマークは速やかに国旗から取り除かれ、現在のスッキリした美しい青と黄色の十字に戻りました。
4. 知っておきたい豆知識(独自の文化とトリビア)
- 日常のルール:「ポールを裸にしない(ペナントの文化)」 スウェーデンでは、一般の家庭の庭先やサマーハウス(別荘)に国旗掲揚のポールが立っているのがごく普通の光景です。 しかし、正式な国旗は「日の出から日没まで(夜は降ろす)」というルールがあります。そこでスウェーデン人は、国旗を降ろしている間、ポールに何もついていない「裸の状態」を非常に嫌い、代わりに 「ヴィンペル(Vimpel)」と呼ばれる青と黄色の細長いペナント(吹き流し)を24時間常に掲げておきます 。風になびくヴィンペルは、スウェーデンののどかな日常を象徴する景色です。
- アメリカにある「スウェーデン柄」の市旗 アメリカのペンシルベニア州フィラデルフィアや、デラウェア州ウィルミントンの市旗は、 「青地に黄色の十字(または帯)」 というスウェーデンそっくりの配色をしています。 実は17世紀、この地域には 「ニュースウェーデン」 というスウェーデンの植民地がありました。その歴史的な名残を現在でも大切に受け継いでいるのです。
- 正確な色指定が法律で決まっている 昔は色が水色っぽかったり、オレンジに近かったりとバラバラでしたが、1906年の国旗法で厳密に色が統一されました。現在のスウェーデン国旗の青は少し明るめの「ライトブルー」と指定されていますが、これはスウェーデン王室の伝統的な色合いを守るためです。
以上のように、スウェーデンの国旗は、北欧の雄大な自然を切り取ったような美しい配色を持ちながら、デンマークへのライバル心や、ノルウェーとの「ニシンのサラダ」の歴史など、北欧諸国の複雑な関係性を色濃く反映している、非常に興味深い国旗なのです。
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詳細データ・リンク
| 素材名 | スウェーデンの国旗 |
|---|---|
| キーワード | スウェーデン, 国旗 |
| 制作者 (Creator) | 3kaku-K |
| 著作権 (Copyright) | 3kaku-K |
| クレジット (Credit) | freesozai.jp |
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