大韓民国(韓国)の国旗について
大韓民国(韓国)の国旗、通称「太極旗(テグクキ)」について、そのデザインの意味、由来、歴史からトリビアまで詳しく解説します。太極旗は、世界中の国旗の中でもトップクラスに「東洋哲学(陰陽五行説など)」の深い思想が込められた、非常に哲学的な国旗です。
1. デザインと形の意味
太極旗は、「白地」「中央の太極(円)」「四隅の黒い卦(け)」の3つの要素で構成されており、これらすべてが宇宙の万物と調和を表しています。
- 白地(背景の色) 韓国の伝統的な色である「白」は、 「純潔」「平和」 への愛、そして明るさを表しています。古くから韓国の人々は白い服を好んで着たため、自らを「白衣民族」と呼んでおり、その民族性を象徴しています。
- 中央の円「太極(テグク)」
東洋哲学の「陰陽(いんよう)説」を表しています。宇宙の万物が「陰」と「陽」の相互作用によって生まれ、発展するという大自然の真理を意味しています。
- 上の赤(陽):尊貴、天、明るさ、プラスを意味します。
- 下の青(陰):希望、地、暗さ、マイナスを意味します。 (赤と青が波打つように交わっているのは、陰陽が対立しながらも調和・循環している状態を表しています)
- 四隅の「四卦(しけ)」
『易経(えききょう)』という古代中国の書物に基づく記号(卦)で、「乾・坤・坎・離(けん・こん・かん・り)」と呼ばれます。それぞれが自然界の要素や季節、方位などと対になっています。
- 左上(乾・けん / ☰):【天】、春、東、正義を表す。(長い線3本)
- 右下(坤・こん / ☷):【地】、夏、西、生命力を表す。(短い線6本)
- 右上(坎・かん / ☵):【水(月)】、冬、北、知恵を表す。
- 左下(離・り / ☲):【火(日)】、秋、南、情熱を表す。 ※これらが中央の太極を囲むことで、宇宙の完璧なバランスと調和を描き出しています。
2. 太極旗の歴史と由来
太極旗の歴史は、19世紀後半の朝鮮王朝(李氏朝鮮)の時代に遡ります。
① 国旗の必要性に迫られた開国期(1882年) かつての朝鮮には、国を代表する「国旗」という概念がありませんでした。しかし、西洋列強や日本との条約締結など、近代的な外交を行う上で「国旗」が必要不可欠となりました。1882年の米朝修好通商条約の際、初めて国旗の図案が作られたとされています。
② 太極旗の誕生と使節団(1882年9月) 現在に繋がるデザインの太極旗を初めて公式に掲げたのは、1882年に日本へ派遣された修信使(外交使節)の朴泳孝(パク・ヨンヒョ)だと言われています。彼は日本へ向かう船(明治丸)の中で、イギリス人船長のアドバイスなども受けながら、伝統的な太極図と四卦を組み合わせた旗を描き、それを日本の宿泊先で掲げました。
③ 正式な国旗としての制定(1883年) 朴泳孝の報告を受けた朝鮮第26代国王・高宗(コジョン)は、1883年にこの太極旗を「朝鮮国の国旗」として正式に公布しました。
④ 独立運動のシンボルへ(日本統治時代) 1910年の韓国併合により日本統治時代に入ると、太極旗の掲揚は禁止されました。しかし、1919年の「三・一独立運動」などで、民衆は隠れて作った太極旗を振りかざして独立を訴えました。このため、太極旗は単なる国旗を超えて 「民族の独立と抵抗のシンボル」 として韓国民の心に深く刻まれました。
⑤ 大韓民国の建国とデザインの標準化(1949年) 1948年に大韓民国が建国された後、1949年に「国旗制定委員会」が発足しました。実はそれまで、四卦の配置や太極の渦の向きなどが人によってバラバラでした。この時に現在の明確な比率や色、四隅の卦の正しい配置が法律(国旗制作法)として厳密に定められ、現在の太極旗が完成しました。
3. 知っておきたい豆知識(トリビア)
- 世界一「描くのが難しい」国旗? 太極のS字のカーブの角度や、四隅の卦の配置(長い線と短い線の組み合わせ)が非常に複雑なため、 韓国の国民であっても何も見ずに正確に描くのはかなり難しい とされています。 「左上が3本、右下が6本…」と暗記法を習いますが、オリンピックなどの国際大会で、外国人(時には韓国人自身も)が手作りした応援旗の「卦の配置が間違っている」ことがよく話題になります。
- 北朝鮮も昔は「太極旗」を使っていた 1945年の日本の敗戦(朝鮮半島における光復)の直後、朝鮮半島はまだ南北に分断されておらず、現在の北朝鮮地域(金日成体制の初期)でも太極旗が使われていました。その後、北朝鮮はソ連の影響を受け、1948年に独自のデザインである現在の国旗(人共旗)を制定し、太極旗を廃止しました。
- 縦横の比率は日本と同じ 韓国の国旗の縦横の比率は「2:3」です。これは日本の「日の丸」や中国の「五星紅旗」と同じサイズ感になっています。
以上のように、大韓民国の「太極旗」は、西洋の国旗によく見られる「十字架(宗教)」や「三色旗(革命)」とは一線を画し、「陰陽」という東洋の壮大な宇宙観・自然哲学を小さな布のなかに表現した、非常にユニークで奥深い国旗です。
素材について
大韓民国(韓国)の国旗、通称「太極旗(テグクキ)」について、そのデザインの意味、由来、歴史からトリビアまで詳しく解説します。太極旗は、世界中の国旗の中でもトップクラスに「東洋哲学(陰陽五行説など)」の深い思想が込められた、非常に哲学的な国旗です。
1. デザインと形の意味
太極旗は、「白地」「中央の太極(円)」「四隅の黒い卦(け)」の3つの要素で構成されており、これらすべてが宇宙の万物と調和を表しています。
- 白地(背景の色) 韓国の伝統的な色である「白」は、 「純潔」「平和」 への愛、そして明るさを表しています。古くから韓国の人々は白い服を好んで着たため、自らを「白衣民族」と呼んでおり、その民族性を象徴しています。
- 中央の円「太極(テグク)」
東洋哲学の「陰陽(いんよう)説」を表しています。宇宙の万物が「陰」と「陽」の相互作用によって生まれ、発展するという大自然の真理を意味しています。
- 上の赤(陽):尊貴、天、明るさ、プラスを意味します。
- 下の青(陰):希望、地、暗さ、マイナスを意味します。 (赤と青が波打つように交わっているのは、陰陽が対立しながらも調和・循環している状態を表しています)
- 四隅の「四卦(しけ)」
『易経(えききょう)』という古代中国の書物に基づく記号(卦)で、「乾・坤・坎・離(けん・こん・かん・り)」と呼ばれます。それぞれが自然界の要素や季節、方位などと対になっています。
- 左上(乾・けん / ☰):【天】、春、東、正義を表す。(長い線3本)
- 右下(坤・こん / ☷):【地】、夏、西、生命力を表す。(短い線6本)
- 右上(坎・かん / ☵):【水(月)】、冬、北、知恵を表す。
- 左下(離・り / ☲):【火(日)】、秋、南、情熱を表す。 ※これらが中央の太極を囲むことで、宇宙の完璧なバランスと調和を描き出しています。
2. 太極旗の歴史と由来
太極旗の歴史は、19世紀後半の朝鮮王朝(李氏朝鮮)の時代に遡ります。
① 国旗の必要性に迫られた開国期(1882年) かつての朝鮮には、国を代表する「国旗」という概念がありませんでした。しかし、西洋列強や日本との条約締結など、近代的な外交を行う上で「国旗」が必要不可欠となりました。1882年の米朝修好通商条約の際、初めて国旗の図案が作られたとされています。
② 太極旗の誕生と使節団(1882年9月) 現在に繋がるデザインの太極旗を初めて公式に掲げたのは、1882年に日本へ派遣された修信使(外交使節)の朴泳孝(パク・ヨンヒョ)だと言われています。彼は日本へ向かう船(明治丸)の中で、イギリス人船長のアドバイスなども受けながら、伝統的な太極図と四卦を組み合わせた旗を描き、それを日本の宿泊先で掲げました。
③ 正式な国旗としての制定(1883年) 朴泳孝の報告を受けた朝鮮第26代国王・高宗(コジョン)は、1883年にこの太極旗を「朝鮮国の国旗」として正式に公布しました。
④ 独立運動のシンボルへ(日本統治時代) 1910年の韓国併合により日本統治時代に入ると、太極旗の掲揚は禁止されました。しかし、1919年の「三・一独立運動」などで、民衆は隠れて作った太極旗を振りかざして独立を訴えました。このため、太極旗は単なる国旗を超えて 「民族の独立と抵抗のシンボル」 として韓国民の心に深く刻まれました。
⑤ 大韓民国の建国とデザインの標準化(1949年) 1948年に大韓民国が建国された後、1949年に「国旗制定委員会」が発足しました。実はそれまで、四卦の配置や太極の渦の向きなどが人によってバラバラでした。この時に現在の明確な比率や色、四隅の卦の正しい配置が法律(国旗制作法)として厳密に定められ、現在の太極旗が完成しました。
3. 知っておきたい豆知識(トリビア)
- 世界一「描くのが難しい」国旗? 太極のS字のカーブの角度や、四隅の卦の配置(長い線と短い線の組み合わせ)が非常に複雑なため、 韓国の国民であっても何も見ずに正確に描くのはかなり難しい とされています。 「左上が3本、右下が6本…」と暗記法を習いますが、オリンピックなどの国際大会で、外国人(時には韓国人自身も)が手作りした応援旗の「卦の配置が間違っている」ことがよく話題になります。
- 北朝鮮も昔は「太極旗」を使っていた 1945年の日本の敗戦(朝鮮半島における光復)の直後、朝鮮半島はまだ南北に分断されておらず、現在の北朝鮮地域(金日成体制の初期)でも太極旗が使われていました。その後、北朝鮮はソ連の影響を受け、1948年に独自のデザインである現在の国旗(人共旗)を制定し、太極旗を廃止しました。
- 縦横の比率は日本と同じ 韓国の国旗の縦横の比率は「2:3」です。これは日本の「日の丸」や中国の「五星紅旗」と同じサイズ感になっています。
以上のように、大韓民国の「太極旗」は、西洋の国旗によく見られる「十字架(宗教)」や「三色旗(革命)」とは一線を画し、「陰陽」という東洋の壮大な宇宙観・自然哲学を小さな布のなかに表現した、非常にユニークで奥深い国旗です。
無料ダウンロード
詳細データ・リンク
| 素材名 | 大韓民国(韓国)の国旗 |
|---|---|
| キーワード | 大韓民国, 韓国, 国旗 |
| 制作者 (Creator) | 3kaku-K |
| 著作権 (Copyright) | 3kaku-K |
| クレジット (Credit) | freesozai.jp |
| 関連リンク | 参考リンク |